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トゥルーマン・ショー感想

映画感想

(たぶんネタバレが含まれるかもしれないです。でも実際に観てもらうのが一番だと思います・・・)

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・Sランク映画

アマプラで気になってた映画。ジャンルはヒューマンドラマ、かつサスペンスでもある。見終わった後の脳の高揚感がまだ残ってる…

 

主人公のトゥルーマン(名前)は、小さな街に住む保険会社の平凡な職員。しかし、彼の人生はテレビ番組のショーだった。彼自身は知らないが、友人、母親、妻、同僚も含め周りは全員エキストラで、建物から街全体がハリウッドに出来たセットで、天気も空も作り物。五千を超えるカメラが彼を二十四時間撮影し、常にスタジオから全世界へ生放送されている。彼が生まれた瞬間からずっと・・

 

この映画の凄い所は、観る人をこの映画の中の「トゥルーマン・ショー」を観る人に重ねたり、はたまた映画全体を俯瞰させたりする主人公との距離感、空気感。そして絶妙に作られた世界の危うさのサスペンス。そしてヒューマンドラマとしてのカタルシス、感動。

 

この映画は大きく2つの部分に別れます。前半の、主人公が世界そのものに疑惑を持つようになっていくパート。そして、撮影セットや放送局全体の描写がされ、主人公が世界そのものに抗う後半パート。

 

前半、主人公のいつもの日常。しかし「あれ?」と思う部分も。絶妙に調整されて視聴者(=私達含む)しか気づかないようになっているけど。エキストラ同士で連絡を取り合い、ラジオから交通まで、主人公のために完璧に調整されている様子が背筋が冷たくなる感じ。

しかし、いくつかのミスが重なり、疑惑を持ってしまう。さらに、トゥルーマンが学生時代の友人(役)のなかに、彼を浜辺に連れ出してこの世界が作り物だと告白してしまう人もいたのだ。彼女は急遽やってきた父親(役)に連れていかれるのだが、その間際に父親(役)は怪しまれないようにとこう言う「彼女は統合失調症で、こういう問題を繰り返しているんだ」と…

はい。映画のあらすじ見たらわかりますが、この映画「統合失調症の妄想を具現化した」とも言われています。「自分が監視されている」「集団ストーカーにあっている」というのは統合失調症の妄想の典型的な例の1つです。

以前、ニコニコ動画統合失調症の人が自ら上げてる動画が話題になったりしましたが、自分はそれらを観ました。そして物語中盤の彼の行動が、まさに患者の行動あまりにもそのまますぎて恐ろしくなってきます。異常に思えないモノ(実際は異常)が異常に見える…私達視聴者は彼の疑念が真実だとわかってます。しかし、じゃあ現実の統合失調症の人の見ている世界は…?

 

そして後半。大規模なセットやスタジオ、制作スタッフが登場します。視聴者たちも(トルーマンと書かれたシャツを着てる日本人もいる❗)ここからよく出てきます。主人公がかつて父親を失ったのも水や海に恐怖を持たせるため。そこらじゅうに貼られたポスターやテレビは彼へのメッセージ。

しかし主人公は周囲を島の外へ行きたいと思うようになります。主人公に疑惑も持たれず、島の外へ出さないようにと様々な工夫をこらすエキストラたち(住人)と番組スタッフ。

そして物語は急展開を向かえる。「脱出」を試みる主人公と、全力で阻止しようとするスタッフ達。固唾を呑んで見守る視聴者。自由のための戦い、恐怖の克服。そしてあまりに幻想的な「終端」へ至る・・・

最後の最後は爽やかな感動へ。彼のその後は描かれない。だって、番組は終わってしまったのだから・・・。視聴者の一人が番組表を見て次の番組はなんだ、と言っておわり。

 

サスペンス的な恐ろしさとヒューマンドラマの感動が合わさった傑作でした。「一本の映画」として深く残る仕上がり。

 

(作中で、テレビ放送なのでちょくちょくあからさまな商品紹介的なことを登場人物たちが行うのですが、そういえば岩倉の統合失調症の人への嫌がらせでそんなんあったなーと…)