1.人物画へのアプローチ(3-人体の比率)

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Figure Drawing For All It’s Worth目次 - エムフネ御殿

 

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理想的なプロポーションの男性

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(ふくらはぎの後ろの部分は、体全体で最も後ろに出ている部分です。)

理想的な体格を考えましょう。頭の天辺と踵に点を置きます。そこから八等分しましょう。そのうち、2足す1/3が体の横幅の長さです。この段階では、解剖学的に正確に描こうとする必要はありません。しかしそこの違いは頭の中で修正しましょう。
三方向から人体を描きましょう。全面、側面、背面です。肩、しり、ふくらはぎの横幅に注意しましょう。乳首の間は頭一つ分ということに注意しましょう。ウエストは頭一つ分より少し広いです。手首は股のすぐ下です。肘はへそと同じライン上です。膝は下から四分の一の位置のすぐ上にあります。肩は上から六分の一の位置にあります。比率はフィートでも表せますので、人体画を描く時実際の家具やインテリアと比較することが出来ます。

 

 

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理想的なプロポーションの女性

 

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女性の体は男性より狭く、最も横幅の広い点で頭二つ分です。乳首の位置は男性よりやや低いです。ウエストラインは頭一つ分です。正面から見た(両方合わせた)太ももの幅は脇の下よりやや広く、背中側に斜めに狭くなっています。少しでも膝より下を長く描くと見た目に分かってしまします。手首は股の位置にあります。(ヒール込みで)5フィート8インチ(172cm)が理想的な少女の身長とされています。実際、もちろんですが、平均的な少女はこれより足が短く、幾分太ももも重いです。

気をつけましょう:女性のへそは肘のラインよりも下にあります。男性は上か、同じ高さにあります。乳首とへそは頭一つ分ですが、それらは頭身を分割する線より下です。肘はへその上にあります。男女の人体の様々な違いについて学ぶことは重要です。

 

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様々な人体のプロポーションの基本

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(左から)
(通常の7.5頭身。学術的で、ほとんどのスクールで用いられる。むしろずんぐりしてる。横幅は2頭身)
(理想的な八頭身。ほとんどのアーティストは8頭身を普通としている横幅は2+1/3頭身)
(ファッション、8.5頭身。一般に認められた頭身。横幅は2+1/3頭身か2+2/3頭身)
(英雄的な9頭身。頭身か2+2/3頭身)


パッと見で、実際の、普通のプロポーションの絵には満足いかないとわかるでしょう。昔のアカデミックな絵は、退屈で古臭く見える通常のプロポーションにもとづいています。ファッションアーティストの殆どは、八頭身にまで人体を引き伸ばして描いて、また、寓話的な、ヒーロー的な「スーパーマンタイプ」(9頭身)も上手に使っています。どんな位置でも、どんな頭身でも、人体の重心は地面に向かって落ちていることに気をつけましょう。人体の側面と背面を、これまでのページを参考にしつつ比率を変えて描いてみるのも良いでしょう。頭身の比較を利用すればキャラクターの外見の高さ低さをコントロールできます。

 

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様々な年齢でのプロポーション

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(頭部の成長はとてもゆっくりです。成年期になってから3インチほどしか大きくなりません。足はほぼ倍ほどになります。成長は胴体と同程度の早さです。)


こういった比率は非常に重要度が高く、私の知っている限り、アーティスト達が常に大事にしているものです。この尺度は子供が理想的な八頭身の大人に成長するまでを示しています。もし、例えば、男性か女性(頭一つ分くらい男性より背が低い)と5歳の子供を描こうとしたとき、この表から体の比率を比較して描くことが出来ます。10歳以下の子供は通常より背を低く、デブく描いたほうがより理想的です。同様の理由で、10歳以上の子供は通常より背を高めに描くと良いでしょう。